御殿山テニスクラブに入ると多くのコーチの方と一緒に練習してもらった。
ただ当時の僕のテニスの腕前というと高校時代に多少経験はあるものの本当に初心者に毛の生えた程度のレベルで周りの人と比べると雲泥の差があった。
練習生というのはコーチになるためのものだったのに僕自身はなかなかテニスが上手くならず苦悩の日々だった。
テニスは好きだがそれ以上に上手くならなければならないといけないというプレッシャーが大きかったためかテニスを楽しむという状態ではなかった。
自分より後から入ってきた後輩がどんどん上手くなっていく姿をみると、悔しさというより自分自身の情けなさが身にしみた。
けど、悲しんでばかりもいられないので壁打ち、オートテニス、コートで練習とこんなことを年間300日以上繰り返していた。
ほぼ毎日。
筋肉痛当り前。

最後の最後にはちょっとは上手になりコーチとして自分のクラスで教えることができたが、テニスの才能という面では全くなかったと思う。
ただこの御殿山テニスクラブでもたくさんの先輩らに仲良くしてもらった。
小柄でかわいらしい麗ちゃんはテニスさせたら異常にうまく「どうやったらその球打てるん?」て聞いたら「渡辺さんにはまだ早いですよ」って笑顔で言われるが不思議と納得してしまう。

見た目はイカツク男前の右近さんは第一印象でこの人とは仲良くなれんやろなって思ったが、いつも親切にしてもらい今でもかなり仲良くしてもらってる。
右近さんのすごいところはテニスだけでなく親分肌でいつも後輩を連れ歩く人間的魅力。
かなり研究させてもらっている。

入ったときから練習会をしてくれたり細かく指導してもらっている明見さんは
「ナベン、うまなったなー」
ていつも言ってくれるけど最初が下手すぎたからですよねぇ、、、。
御殿山テニスクラブに入って、初めての練習会のときに、明見さんから「コーチになるための練習やで」って言われたときに正直僕の心の中では「さすがに、コーチとかにはなれへんわぁ」って思っていた。
いつも四條畷の市民大会でダブルスを組んでもらっている脇坂さんはお客さんを楽しませるのが上手で、その話術をこっそり盗ませてもらっている。
入った当時は素人同然だったのに曲りなりにもテニスが出来るようになったことと、テニスを通じて接客業を学ばせて頂いたことを考えると御殿山テニスクラブには心から感謝しています。

苦しいときは嫌で嫌で仕方ないと思っていたがその間に得られる経験や人間関係は何事にも変えられないものがあると思うようになった。

 

僕も便乗して疲れの見えたエース多和田には
「多和田!!地球に優しく!!!」てアドバイスしてあげた。
(大学時代③へつづく)