浪人

浪人時代は1年間代ゼミで勉強した。
高校時代の成績があまりにもひどかったので、この1年は誰にも負けないくらい勉強した。
朝目覚めた瞬間から寝るまでずーっと勉強した。
当時有名な問題集や参考書は全て勉強した。
友達と遊んだのも1年を通じて1度だけだった。
けど、予備校の授業はすごく楽しかったし、勉強をしていて明らかに自分に学力みたいなものが身に付いてきてるのが実感できたし、本当に貴重な1年だった。
どうしても出たい夏期講習の授業が代ゼミの本校であり、親にだまって4泊5日で東京まで行った。
当然泊まるところはないので4泊新宿で野宿。
授業に出て、夜は公園のベンチで寝て、また次の日に授業。
この繰り返し。
今となっては有り得ない話やけど、、若いよなぁって思う。
唯一友達と遊んだのは現役で神戸大学に入学していたテニス部の望月と徳田と神戸港で朝までラジカセをガンガン鳴らしながらサザンの歌を熱唱した夏の一日だけだった。
たった一日だけだったけれど、ずっと一人で勉強してたからすごく楽しかったし、嬉しかった。
「俺一人ちゃうやんかぁ、、、」て気がした。
仲間の大切さを知った。
神戸港を見るたびにその日のことを思い出す。
きっと一生。

浪人時代に勉強もしたが、これから自分がどうやって生きていこうかって真剣に考えた。
毎日毎日考えていたが、最後は単純に地元が好きだから四條畷のために働きたいって思うようになった。
それなら政治家しかないって思った。
けどうちは政治家家系でもなんでもないし、選挙って水物だから落選したとしても生活できるようにしておかないといけないと思い、まずは、手に職をつけるべく税理士の資格を目指すことにした。
浪人という何となく道を外れたところにいたからこそ自分を客観的に見ることができ、そんな目標が決まったんだと思う。
迎えた受験では残念ながら志望校には合格できなかった。
しかし、1年間しっかり勉強し、将来のことについて考えたこと、そして何より地元関西にある大学に進学できたことはその後の僕にとって最大の財産になった。